:: 長崎旅日記  〜 2日目 〜 ::



午前4時42分。
関門トンネルを抜け、
門司に到着。
午前7時半ごろ。
朝の光と空が美しい。

と、大喜びで窓外に広がる景色にカメラを向けていたわたし。
・・・を、突如襲った悲劇。
それは・・・バッテリー切れでした。
このところ、写真をほとんど撮っていなかったことが仇に。
電車に乗ってから、「あれ?バッテリー、大丈夫だったかな?」と気になる。
さらに充電器のことなど、全く頭になかったのです。
恐れていたとおりのことが…絶体絶命。

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窓外の有明海も撮れないまま、8時54分、
心臓ばくばくで長崎駅に到着〜!
な、なんのために、ここまで来たの…。(涙)
とりあえず、コンパクトカメラでしのぐ。
夜中にしっかり寝て、朝は列車探検をした小さい坊ちゃん、
夜中寝られなくて、6時ごろから熟睡して、起こされたばかりの大きい坊ちゃん、
特急「かもめ」の前で記念撮影。

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まずは駅の観光案内所でホテルの予約を入れ、
お店の開店時間に合わせて、大きな電器やさんへ。
カメラのバッテリーに望みをつないで…
ああ神さま、と祈る思いでした。
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しかしそのお店では、同じバッテリーは扱っていないとのこと。
当然、充電器も置いていませんでした。
一度は「あきらめよう…」と言ったオットでしたが、
突如、「カメラのキ○ムラや!それしかない!」と叫び、
電話帳をめくりはじめたのです。。
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中心部からは少し離れたところ、
路面電車の終点の少し先、
JRの駅ではみっつ上ったあたりに、その店はありました。
電話帳の地図でそれを見つけ、電話をかけて、
同じバッテリーがあることを確認、購入を前提に充電しておいてもらうことに。
神さまが助けてくれた…とホントに思いました。
絶望の淵から救われた気分。
とりあえず、フル充電されるまでには時間がかかるため、
ホテルに荷物を預けたあと、しばらく観光することに。
この間、コンパクトカメラ大活躍。

電停「大波止」前にある、
カステラの文明堂本店。
ホテルは新地中華街のすぐそば。
どこに行くにも近くて正解◎
中華街を抜けて散策、
商店街の花やの店先。
川沿いに並ぶ直売?市場は
長崎弁が飛びかう。

浜町のアーケードを抜けて、眼鏡橋へ。
川端通りに浮かれるオット。
眼鏡橋を見つけ、まさにそこを目指して歩いていたら、
手前の橋で、おいでおいでをして引きとめる人がひとり。


「ここから見る眼鏡橋が、いちばんきれいだよ。
皆さん、あの橋のたもとまで行かれるけど」
そういっておじさんは、眼鏡橋のことをあれこれ説明してくれた。
そして、家族で記念写真も撮ってくださった。
「ここをずっと行くと、子どもさんは面白くないね、寺町通り。
お寺さんが並んでるね。左に行くと興福寺
まっすぐ行って右に折れると、崇福寺。」
「あーその、崇福寺の近くに、今から行くんです」
「あーそう。私は、崇福寺さんで今から勉強会があるの。」
そういって、おじさんは笑って去っていかれました。



少し中島川の川べりに降りて遊んだあと、興福寺を目指します。

  

寺町通りを歩きはじめると、そこに「幣振坂」の札が!
いきなり現れたので、びっくり。
映画『解夏』のロケが行われた場所です。
…ということで、上ります。
が、てっぺん(風頭公園)まで上るには強烈な距離と階段なので、
途中までですが…。
+++++
どこまでも墓地が続く階段を、わき目もふらず、
ただ上を目指して、ひとり上る。汗がこめかみを流れる。
上って上って、カーブするところで振り返ったら、そこには、長崎の町がありました。
坂の下では聞こえなかった、船の汽笛がここなら聞こえます。


この感動を教えてあげたい!と坂を下りかけたら、
オットー、坊たちを連れて上ってきた。
蚊に刺されながら、大きい坊ちゃんに「グリコ」を教えてあげる。
そうでもしないと、階段ストライキ起こされそうで。(笑)


興福寺、ここには『解夏』の冒頭とラストで登場する、
「白いさるすべりの花」を見るのが目的でした。
この季節しか見られないものだけに、
花が終わっていることを心配していましたが、まだ間に合いました。よかった!!

+++++

入ってすぐ、正面に、斎藤茂吉の歌碑があります。
『解夏』の原作冒頭に引用されている歌です。

今後のために(?)ここらで説明しておかねばならないでしょう。
仕事に疲れているオットが、わずかな休みを利用して、
なぜ、「長崎」にこだわったのか。
それは、、、
彼が長年の、さだまさしファンだから。
いや、ごめん、彼だけじゃない、わたしもでした。
長崎は、まさしさんのふるさとなのでした。

+++++

長崎を訪れたのは、オットは精霊流しを見にきて以来12年ぶり、
わたしは「夏・長崎から」のコンサートに訪れてから16年ぶりでした。
時間がずいぶん流れたせいか、
おかげで、心だけ、一気に、自由だったあの頃に戻ったよう。
日常生活のしがらみや苦しい感情とひととき離れて、
ただ自分たちの好きなもの、ことにだけ向かい合っていた、
あの日の自分を思い出せた気がした。
それだけで、わたしたちにとって、長崎までやってきた意味があったのです。

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見覚えのある道に出た。

崇福寺の斜向かいの喫茶店。
この道のつきあたりが、崇福寺。

さだまさし・れいこの店になってた。

「自由飛行館」という、さだまさしのお店。
店構えがまったく変わっておらず、懐かしい〜。
喫茶メニューが増えている。
今年の長崎からのコンサート時には、
関係者100人での打ち上げがあったそうな。
50人ずつ、入れ替え制だったそうです(笑)
こじんまりした店内ですが、奥がちょっとしたステージにもなるような造りです。


さて、ここでなんと、まさしさんのお父様にお会いしました。
二十年ほどのあいだに何度となく、コンサートでお見かけはしていたものの、
最近はどうされているのかなーと気になっていたところ。
オット、ひれ伏し、起こされる。(笑)
坊たちはささだんごとチョロQをもらって、ご満悦。
奥様ともどもお元気でいらっしゃるそうで、何よりでした。
「あと4つで90だからね〜」とおっしゃりつつ、いろんな話を聞かせてくださいました。
「奥さん、偉いよー、男の子ふたりも生んで、育てて。
いいよ、男の子の兄弟は、大きくなっても助けあっていくからね。」
そう言われて、ものすごく救われた気がした。
佐田家の息子さんたちみたいに、助けあっていってくれたらいいなあとも、思った。
とにかく、すごくすごく、うれしかったです。

+++++

お店のおばさんも坊たちを可愛がってくれて、
オットはものすごくうれしかったらしく、「明日、また来ます」と約束していました。
明日はひそかに、熊本のウルトラマンワールドに行く野望があったらしいのですが、
打ち砕かれたようです。(笑)
二日間、長崎満喫〜の予定になりました。

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さて。
お店を出て、思案橋から市電に乗り、
くだんのカメラバッテリーを買いにいくことに。
距離があることから、

1、おとな単身でタクシーで行く。
2、タクシーなら同じことだから、全員で行く。
3、市電の終点までは一日乗車券を駆使し、あとタクシー。
4、電車の時間が分からないけど、JRで行って、あとタクシー。

など、いろんなパターンを思案したのですが(思案橋だけに)、
とりあえずタクシーに乗りやすい長崎駅前まで市電で行くことにしました。

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ところがここで、予期せぬ?事態が。
さっきまで大はしゃぎだった小さい坊ちゃん、いきなり、寝る!(笑)
これがまた、ほんとに、いきなり。
「あっ。まま、いじゅがねた!」と大きい坊が叫んだ瞬間、ぐうぐう言ってました。
おかげで、「タクシーあるかどうか分からんけど、このまま終点までいこ〜」ということに。
これが本当に上手くいきまして、
小さい坊ちゃんはしっかりお昼寝、
わたしたちは、16年前のコンサート会場の前を通ることができ、
大きい坊ちゃんは窓から路面電車をめいっぱい楽しみ、
おまけにタクシーにもすぐ乗れて、お代もほとんどかからずにすみました。
カメラバッテリーは、ばっちり新品・充電。
旅の途中で切れることはないでしょう。
旅の神さまに深く深く、感謝です。
そして、カメラのキ○ムラさま。
もう、足を向けて寝られません…本当にありがとう…。(涙、涙)

+++++

そうして夕方4時すぎ、無事にホテルにチェックイン。
すでに荷物を預けてあったので、すんなりお部屋に案内してもらえました。
「ファミリールーム」のあるホテルということで紹介されたのですが、
トリプルベッドにソファ、テーブルなどがある広々としたお部屋。
これで、お願いした予算の半額くらい。(笑)
え?ウソやろ?それ、ひとり分の料金では?と首をひねりましたが、
間違いではなかったようです。。



坊たち、笑って「うそねり」(ウソ寝)の図。

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さあ、日が落ちるまでに、あともうひと観光!
ただいま「長崎さるく博 '06」が開催されている長崎では、
あちこちでイベントが行われているようす。
ホテルのかたにていねいに説明をしてもらい、
グラバー園が期間限定のライトアップ中ということで、そこを目指すことに。
まずはハラごしらえ〜ということで、
ホテルを出てすぐの中華街に入り、江山楼本店に参ります。
ここの2Fで、『解夏』の食事シーンが撮影されたんですよ〜。(しつこい)
わたしたちは、1Fのテーブル席で。



特製チャンポン、特製皿うどん、春巻、堪能。


チャンポンのスープがっ!!!おいしすぎるっ。(感涙)
そして、カメラ復活!!!(感涙)

子どもたちの反応はといいますと。。。
小さい坊ちゃん「べろにささる〜いたい〜(←皿うどん)」
大きい坊ちゃん「ベビースターラーメン、いらん〜(←皿うどん)」
総じて、チャンポンに軍配が上がったようです。(爆笑)

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蛇足ですが、大型チェーン店「リンガーハット」も「バーミヤン」も、
長崎市内にあると、「それらしく」見える。(笑)
不思議なものです。
オナカと時間が許せば、食べ比べたかったです。
(名古屋よりおいしいかも?!)

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最寄の電停、「築町」から「石橋」行きに乗る。
ここは乗り換えポイントになっていて、
その意味でも、とても動きやすかったの。


石橋からは、斜行エレベーター「グラバースカイロード」で、
一気にグラバー園のてっぺんまでのぼります。
エレベーターなんだけど、斜めに進むので、坊ちゃんたち、びっくり!
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エレベーターを乗り継ぎ、ふたつめを降りて、そこに広がった夕景。
長崎港の向こうに、稲佐山。




グラバー園の第2ゲートから。

さるくくんうちわをもらいましたっ

旧三菱第2ドックハウス。

壁泉。16年前の写真にもあった。

「ある晴れた日に」歌唱中。

グラバー邸前。


グラバー邸横の展望台からの夜景。
さっきの写真と、同じ方向です。(少し低い)
夕暮れから、灯ともし頃の長崎の町。
夜風に吹かれながら「ぜいたくだねえ…」とひとりごち、
手すりにもたれてぼーっとながめていた。心がほどけた時間でした。
坊たちは夜景なんて興味ないので、(笑)
その間、鯉にエサをやって間を持たせる…。

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日もとっぷりと暮れたので、ホテルに帰ることにしました。
前夜、夜行で過ごした疲れもあることだし。
おみやげものやさんが軒を連ねる南山手の坂道も、
ほとんどが店じまいしています。
そのなかに…「雨やどり」というお店を発見。
さっき、「自由飛行館」で教えてもらった、さだまさし専門店です。
(まにあっくでごめんなさいませ)
閉店準備中だったのに、とあるまにあっくなお客さんに誘われ、入店。
オット、いたく気にいったらしく、今夜書く予定の絵はがきだけ買って、
明日もう一度来よう…とお店をあとにしました。
ああ、そんなのばっかりの旅…。(笑)


坂を下り、見上げた大浦天主堂
上弦の月の翌日、煌々と月が輝いていました。
秋を実感した瞬間。


電停「大浦天主堂下」に向かう途中のコンビニ。
ここの入り口に敷かれたマットが、マットがっ。
「長崎くんち」の絵柄で、しかも、ものすごいロングマットでした。
全国共通と、コンビニを侮るなかれ!
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ここでお茶とビールを買いこみ、秋の夜長に備えたのに、
夜長どころか(笑)全員9時半に就寝してしまいましたっ。
薄れゆく意識の中で、絵はがきは…まあいいや、また明日ー。

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                          (2006.9.2)


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