:: 長崎旅日記 〜 2日目 〜 ::
と、大喜びで窓外に広がる景色にカメラを向けていたわたし。 ・・・を、突如襲った悲劇。 それは・・・バッテリー切れでした。 このところ、写真をほとんど撮っていなかったことが仇に。 電車に乗ってから、「あれ?バッテリー、大丈夫だったかな?」と気になる。 さらに充電器のことなど、全く頭になかったのです。 恐れていたとおりのことが…絶体絶命。 ------------------------------------------------------------------------------ ![]() 窓外の有明海も撮れないまま、8時54分、 心臓ばくばくで長崎駅に到着〜! な、なんのために、ここまで来たの…。(涙) とりあえず、コンパクトカメラでしのぐ。 夜中にしっかり寝て、朝は列車探検をした小さい坊ちゃん、 夜中寝られなくて、6時ごろから熟睡して、起こされたばかりの大きい坊ちゃん、 特急「かもめ」の前で記念撮影。 ------------------------------------------------------------------------------ まずは駅の観光案内所でホテルの予約を入れ、 お店の開店時間に合わせて、大きな電器やさんへ。 カメラのバッテリーに望みをつないで… ああ神さま、と祈る思いでした。 +++++ しかしそのお店では、同じバッテリーは扱っていないとのこと。 当然、充電器も置いていませんでした。 一度は「あきらめよう…」と言ったオットでしたが、 突如、「カメラのキ○ムラや!それしかない!」と叫び、 電話帳をめくりはじめたのです。。 +++++ 中心部からは少し離れたところ、 路面電車の終点の少し先、 JRの駅ではみっつ上ったあたりに、その店はありました。 電話帳の地図でそれを見つけ、電話をかけて、 同じバッテリーがあることを確認、購入を前提に充電しておいてもらうことに。 神さまが助けてくれた…とホントに思いました。 絶望の淵から救われた気分。 とりあえず、フル充電されるまでには時間がかかるため、 ホテルに荷物を預けたあと、しばらく観光することに。 この間、コンパクトカメラ大活躍。
浜町のアーケードを抜けて、眼鏡橋へ。 川端通りに浮かれるオット。 眼鏡橋を見つけ、まさにそこを目指して歩いていたら、 手前の橋で、おいでおいでをして引きとめる人がひとり。
「ここから見る眼鏡橋が、いちばんきれいだよ。 皆さん、あの橋のたもとまで行かれるけど」 そういっておじさんは、眼鏡橋のことをあれこれ説明してくれた。 そして、家族で記念写真も撮ってくださった。 「ここをずっと行くと、子どもさんは面白くないね、寺町通り。 お寺さんが並んでるね。左に行くと興福寺、 まっすぐ行って右に折れると、崇福寺。」 「あーその、崇福寺の近くに、今から行くんです」 「あーそう。私は、崇福寺さんで今から勉強会があるの。」 そういって、おじさんは笑って去っていかれました。 ![]() 少し中島川の川べりに降りて遊んだあと、興福寺を目指します。 ![]() 寺町通りを歩きはじめると、そこに「幣振坂」の札が! いきなり現れたので、びっくり。 映画『解夏』のロケが行われた場所です。 …ということで、上ります。 が、てっぺん(風頭公園)まで上るには強烈な距離と階段なので、 途中までですが…。 +++++ どこまでも墓地が続く階段を、わき目もふらず、 ただ上を目指して、ひとり上る。汗がこめかみを流れる。 上って上って、カーブするところで振り返ったら、そこには、長崎の町がありました。 坂の下では聞こえなかった、船の汽笛がここなら聞こえます。
この感動を教えてあげたい!と坂を下りかけたら、 オットー、坊たちを連れて上ってきた。 蚊に刺されながら、大きい坊ちゃんに「グリコ」を教えてあげる。 そうでもしないと、階段ストライキ起こされそうで。(笑)
興福寺、ここには『解夏』の冒頭とラストで登場する、 「白いさるすべりの花」を見るのが目的でした。 この季節しか見られないものだけに、 花が終わっていることを心配していましたが、まだ間に合いました。よかった!! +++++ 入ってすぐ、正面に、斎藤茂吉の歌碑があります。 『解夏』の原作冒頭に引用されている歌です。 今後のために(?)ここらで説明しておかねばならないでしょう。 仕事に疲れているオットが、わずかな休みを利用して、 なぜ、「長崎」にこだわったのか。 それは、、、 彼が長年の、さだまさしファンだから。 いや、ごめん、彼だけじゃない、わたしもでした。 長崎は、まさしさんのふるさとなのでした。 +++++ 長崎を訪れたのは、オットは精霊流しを見にきて以来12年ぶり、 わたしは「夏・長崎から」のコンサートに訪れてから16年ぶりでした。 時間がずいぶん流れたせいか、 おかげで、心だけ、一気に、自由だったあの頃に戻ったよう。 日常生活のしがらみや苦しい感情とひととき離れて、 ただ自分たちの好きなもの、ことにだけ向かい合っていた、 あの日の自分を思い出せた気がした。 それだけで、わたしたちにとって、長崎までやってきた意味があったのです。 ------------------------------------------------------------------------------
「自由飛行館」という、さだまさしのお店。 店構えがまったく変わっておらず、懐かしい〜。 喫茶メニューが増えている。 今年の長崎からのコンサート時には、 関係者100人での打ち上げがあったそうな。 50人ずつ、入れ替え制だったそうです(笑) こじんまりした店内ですが、奥がちょっとしたステージにもなるような造りです。
さて、ここでなんと、まさしさんのお父様にお会いしました。 二十年ほどのあいだに何度となく、コンサートでお見かけはしていたものの、 最近はどうされているのかなーと気になっていたところ。 オット、ひれ伏し、起こされる。(笑) 坊たちはささだんごとチョロQをもらって、ご満悦。 奥様ともどもお元気でいらっしゃるそうで、何よりでした。 「あと4つで90だからね〜」とおっしゃりつつ、いろんな話を聞かせてくださいました。 「奥さん、偉いよー、男の子ふたりも生んで、育てて。 いいよ、男の子の兄弟は、大きくなっても助けあっていくからね。」 そう言われて、ものすごく救われた気がした。 佐田家の息子さんたちみたいに、助けあっていってくれたらいいなあとも、思った。 とにかく、すごくすごく、うれしかったです。 +++++ お店のおばさんも坊たちを可愛がってくれて、 オットはものすごくうれしかったらしく、「明日、また来ます」と約束していました。 明日はひそかに、熊本のウルトラマンワールドに行く野望があったらしいのですが、 打ち砕かれたようです。(笑) 二日間、長崎満喫〜の予定になりました。 ------------------------------------------------------------------------------ さて。 お店を出て、思案橋から市電に乗り、 くだんのカメラバッテリーを買いにいくことに。 距離があることから、 1、おとな単身でタクシーで行く。 2、タクシーなら同じことだから、全員で行く。 3、市電の終点までは一日乗車券を駆使し、あとタクシー。 4、電車の時間が分からないけど、JRで行って、あとタクシー。 など、いろんなパターンを思案したのですが(思案橋だけに)、 とりあえずタクシーに乗りやすい長崎駅前まで市電で行くことにしました。 +++++ ところがここで、予期せぬ?事態が。 さっきまで大はしゃぎだった小さい坊ちゃん、いきなり、寝る!(笑) これがまた、ほんとに、いきなり。 「あっ。まま、いじゅがねた!」と大きい坊が叫んだ瞬間、ぐうぐう言ってました。 おかげで、「タクシーあるかどうか分からんけど、このまま終点までいこ〜」ということに。 これが本当に上手くいきまして、 小さい坊ちゃんはしっかりお昼寝、 わたしたちは、16年前のコンサート会場の前を通ることができ、 大きい坊ちゃんは窓から路面電車をめいっぱい楽しみ、 おまけにタクシーにもすぐ乗れて、お代もほとんどかからずにすみました。 カメラバッテリーは、ばっちり新品・充電。 旅の途中で切れることはないでしょう。 旅の神さまに深く深く、感謝です。 そして、カメラのキ○ムラさま。 もう、足を向けて寝られません…本当にありがとう…。(涙、涙) +++++ そうして夕方4時すぎ、無事にホテルにチェックイン。 すでに荷物を預けてあったので、すんなりお部屋に案内してもらえました。 「ファミリールーム」のあるホテルということで紹介されたのですが、 トリプルベッドにソファ、テーブルなどがある広々としたお部屋。 これで、お願いした予算の半額くらい。(笑) え?ウソやろ?それ、ひとり分の料金では?と首をひねりましたが、 間違いではなかったようです。。 ![]() 坊たち、笑って「うそねり」(ウソ寝)の図。 ------------------------------------------------------------------------------ さあ、日が落ちるまでに、あともうひと観光! ただいま「長崎さるく博 '06」が開催されている長崎では、 あちこちでイベントが行われているようす。 ホテルのかたにていねいに説明をしてもらい、 グラバー園が期間限定のライトアップ中ということで、そこを目指すことに。 まずはハラごしらえ〜ということで、 ホテルを出てすぐの中華街に入り、江山楼本店に参ります。 ここの2Fで、『解夏』の食事シーンが撮影されたんですよ〜。(しつこい) わたしたちは、1Fのテーブル席で。 ![]() 特製チャンポン、特製皿うどん、春巻、堪能。
チャンポンのスープがっ!!!おいしすぎるっ。(感涙) そして、カメラ復活!!!(感涙) 子どもたちの反応はといいますと。。。 小さい坊ちゃん「べろにささる〜いたい〜(←皿うどん)」 大きい坊ちゃん「ベビースターラーメン、いらん〜(←皿うどん)」 総じて、チャンポンに軍配が上がったようです。(爆笑) +++++ 蛇足ですが、大型チェーン店「リンガーハット」も「バーミヤン」も、 長崎市内にあると、「それらしく」見える。(笑) 不思議なものです。 オナカと時間が許せば、食べ比べたかったです。 (名古屋よりおいしいかも?!) +++++ 最寄の電停、「築町」から「石橋」行きに乗る。 ここは乗り換えポイントになっていて、 その意味でも、とても動きやすかったの。
石橋からは、斜行エレベーター「グラバースカイロード」で、 一気にグラバー園のてっぺんまでのぼります。 エレベーターなんだけど、斜めに進むので、坊ちゃんたち、びっくり! +++++ エレベーターを乗り継ぎ、ふたつめを降りて、そこに広がった夕景。 長崎港の向こうに、稲佐山。
グラバー邸横の展望台からの夜景。 さっきの写真と、同じ方向です。(少し低い) 夕暮れから、灯ともし頃の長崎の町。 夜風に吹かれながら「ぜいたくだねえ…」とひとりごち、 手すりにもたれてぼーっとながめていた。心がほどけた時間でした。 坊たちは夜景なんて興味ないので、(笑) その間、鯉にエサをやって間を持たせる…。 +++++ 日もとっぷりと暮れたので、ホテルに帰ることにしました。 前夜、夜行で過ごした疲れもあることだし。 おみやげものやさんが軒を連ねる南山手の坂道も、 ほとんどが店じまいしています。 そのなかに…「雨やどり」というお店を発見。 さっき、「自由飛行館」で教えてもらった、さだまさし専門店です。 (まにあっくでごめんなさいませ) 閉店準備中だったのに、とあるまにあっくなお客さんに誘われ、入店。 オット、いたく気にいったらしく、今夜書く予定の絵はがきだけ買って、 明日もう一度来よう…とお店をあとにしました。 ああ、そんなのばっかりの旅…。(笑)
坂を下り、見上げた大浦天主堂。 上弦の月の翌日、煌々と月が輝いていました。 秋を実感した瞬間。
電停「大浦天主堂下」に向かう途中のコンビニ。 ここの入り口に敷かれたマットが、マットがっ。 「長崎くんち」の絵柄で、しかも、ものすごいロングマットでした。 全国共通と、コンビニを侮るなかれ! +++++ ここでお茶とビールを買いこみ、秋の夜長に備えたのに、 夜長どころか(笑)全員9時半に就寝してしまいましたっ。 薄れゆく意識の中で、絵はがきは…まあいいや、また明日ー。 ------------------------------------------------------------------------------ (2006.9.2) |