十二月のすすき
いつも電車で通る土手で
すすきが手を振っています
灰色の重い空の向こうに ほんの少しの夕焼け
見てるような 見てないような
秋をくぐりぬけて
冷たい風にさらされて
クリスマスセールのちらしが
ポケットに紛れこむようになっても
私がひとりの時だけ
そうやって 優しいんだね
傷つけることも 傷つけられることもいやだと
逃げようとする私には
窓越しに笑ってくれる 君たちの強さが
とってもとってもうらやましくて
十二月の少し暖かい日
すすきが手を振っています
強くなりたい―――
今日もいつもどおりの一日が終わります
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