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シリウス



青い光が緩めた蝶つがい
やっとほどけた重い荷物
足をかけ
乗っかって
背伸びして
光へと手を伸ばしてみる

くいこんだ肩のくぼみに血が滲む
手当てをする間もなく
またその上にかっちりとひもをかける
そんな毎日をくりかえし
傷は当たり前の持ち物になっていた

背負ってることも
ひものほどきかたも
忘れて
忘れていることさえ
忘れて

いつかぽっきり折れた肩に
青くつめたい光が降りてくる
慰めるでもなく 責めるでもなく
ただそこにある 光の波
ひたひたと ひたひたと
ささやくように寄せては引き
息を吹きこむ

まだ生きていた
許されたい心に