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さよならの橋



二度と戻らない戻れない日々を駆け抜けた
それにやっと気付く頃
ここはもう さよならの橋の下

残りわずかな時間を数え
押し黙ったままのアリスティド・ブリュアン
名画喫茶フランソワ
小さな扉の向こうに
やはり見つからなかった
わたしたちの未来

喧噪はあの日と何ら変わりなく橋を渡る
もう 決まっていたこと
誰にも何にも動かせなかったこと
それでも道は続くのだから
疼きとともに続くのだから

ゆりかもめ舞う川に
幾年月数えてなお痛い胸を沈め
風に震える さよならの橋の下