| めがね 夜 お風呂に走っていったあと 静かなテーブルにぽつりと置かれたきみのめがね 何で汚れているのか 虹いろに鈍く光る点々が滲む きみが今日、見つめていた世界 これを通して見ていたことも忘れ むちゅうで過ぎたいちにち 何を思い何を感じていたのか めがねは、きみといっしょに全部見ていたんだね だから、こんな滲みだらけ 涙のあとがある日は 泣いた 汗のあとがある日は がんばった 皮脂のあとは生きているしるし めがねはぜんぶ知っている きみのこと のぞけばきみのいちにちが ちゃんと見える お風呂で楽しく遊んでいるあいだに めがねをぴかぴかに洗っておくね ぴかぴかの明日が きみに訪れるように また新しいいちにちを 見つめるために |