全ての窓をあけて ここに並ぶ湾曲した凸レンズのようなものはなに 順にピンを刺していこう ピンホール そこから動きだす無数の世界 全ての窓をあけて 微かな風を通して ぴんと張った空気に穴を開けて ピンホール 足を浸す前の緊張感も やがては拭い去られ 流れるものは永遠に 留まるものは永久に それぞれに 生きつづけるだろう 心の窓に隙間ができたら ピンホール 光は変わらず届いているのだから 湾曲して霞んだ光の束を両の手でつかみ 全ての窓をあけて 何も変わりないことを 何も喪わないことを 確かめたい この瞳で |