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君の髪に



ふわふわとやわらかく ほそい
君の髪におもう
臆病で怖がりの内弁慶
目がかたいのだけは勘弁してほしいけれど
りこうでやさしく陽気な君の
笑顔はどこまでも眩しくあれ と

真っ白に真っ直ぐになんのためらいもなく
いちばんを「ママ」と言いきる気持ちが
存在を与えられたことへの無償の感謝なら
恥ずかしいのは母自身
君へも
君の祖母へも

誰に似たのか ぴいちくぱあちく
おしゃべり好きで泣き虫で
甘えん坊なのはうるさくもどかしいけれど
それがすこうしうれしい母の
君は誇りでありつづけるだろう と

深い眠りの帳の中
ふわふわとやわらかく ほそい
君の髪にふれて おもう夜