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春の夜
湿った風に
土と花の香り ひんやり溶け出して
その呼吸する音が聞こえる夜
春の訪れを確信する
春まぢか 恋まぢか
力をこめたら見えなくなりそな
かそけきこころ ふうわりだいて
目を閉じことばを閉じ 深呼吸ひとつ
空気の粒子のひとつぶになって
頼りなく頼もしく 漂う
暗く明るいそら そら
爪を飛ばしたような月