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冷たい川風に揺れながら
ねこやなぎが
いっせいに銀色の芽を吹いた
溶けこむような
銀色の川面は力強い太陽の鏡となり
その姿を映し出す
まばゆい春に目を細め
歩を止め 空を仰ぐ
ああここにもまた
巨大な鏡があった
いのちあるものの確かな歩みを
まぶしく映し 黙って見ている
大きな瞳がわたくしたちを見ている