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秋の朝


あさがおは えらいね
一日花なのに
すぐしぼんでもちゃんと
来年の準備をしている
するべきしごとを知っている
くるくるのつるに種の階段
冷たい朝に耐えて咲いた一輪に
話しかける

ローズマリーはいつも気まぐれ
花の数も 咲く時季も
占うような気持ちで触れた
枝の元に小さなつぼみの芽
絡んだ枝をそっと戻して
指についた香りをかぐ
産毛に包まれた赤ちゃんが
生まれる日を楽しみに

時が見守り育む いのちのつながりを
いとおしむ 秋の朝