<< 風待ち日記TOP
<< Home




ピアノリサイタル  10/31

小さい坊ちゃんの大学の生垣が、金木犀だったことを思い出し、
通りがかった時に近寄ってみると、やはり。
ここでも、咲き初めていました。


いちばんやさしい秋の時節。

今日のリサイタルを、2月から楽しみにしてきました。
どうなるんだろうなあ…とぼんやり思いながら、
それでも、開催されることを信じて。
この日を待ち望んでいた気持ちに添うように、
金木犀も一緒に咲いて、喜んでくれているようです。

京都で川上ミネさんのコンサートを聴くのは、
2012年のクリスマスコンサート以来。
過去のチケットをさかのぼれば、もう10年以上、
そばにある音楽なんだなあ…と、あらためて思います。
出会ったのは2005年、愛・地球博のアニメの音楽として。
耳から引っぱられて心に響いた、ピアノの音。
あの頃は名前も知らなかったのに、
耳で何度も出会ううち、すっかりファンになりました。

ミネさんのこのリサイタル自体も、昨年は中止になり、
1年半ぶりの開催でした。
さらには、前日にSNSで、新しい楽譜販売のお知らせがあり、
会場で購入できるとのこと。
楽譜は絶対欲しい!と、どの曲を選ぼうか、迷いながら到着。
ホールのホワイエではマルシェも開催されていて、
おもちやおみそ、お野菜も買うことができました。

そして、コンサート…
最初の演奏後のあいさつで、ミネさんも涙ぐんでおられるようでした。
こじんまりとしたホールで、生でしか感じられない繊細な音が紡がれるのを、
ライブで聴くことができること、
欲しいものがそこにあって、お買い物できること、
そして、係の方やお店の方、最後にはサイン会でミネさんと!
ことばと笑顔を交わすことができること。
その場で出会ったことすべてが、本当に有難く(文字どおり)感じられて、
嬉しく、感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。
こんなすばらしいリサイタルを開いてくださって、ありがとう。
開催を支えてくれた、目に見えないスタッフさんは、他にもたくさん。
収まった感染症も、穏やかな気候も、集まったみなさんの健康も。
みんなみんな、ありがとう。そんな思いで、いっぱいです。



くらまへ  10/30

明日開催予定のコンサートを目指して、やってきた京都。
不在者投票など用事を済ませてから、午後遅く、
鞍馬寺に行こうとオットーが言いだし、叡山電鉄に乗りました。

実は5年ほど前、一人で鞍馬寺に来たことがありました。
その時の記憶からして、「山登りやで?」と、
こんな午後遅くからお寺をまわるのは無理だと思ったのですが、
わたしはわたしで、昨年読んだ『始まりの木』第二話に登場する、
叡山電鉄の終点まで乗り、物語世界を味わいたいと心密かに願っていたので、
あまりそのことについて触れずに(笑)一緒に乗りこみました。


それというのも、昨年の台風で、土砂崩れに遭った終点付近の数駅が、
復旧されないまま、1年近く経過していたのです。
物語を読んだ時は奇しくも台風の直後だったため、
登場する終点付近の駅に行けるのは、いったいいつになることか…と、
ひそかに心配していたのでした。
なんと復旧は、さかのぼることほんの1ヶ月ほど前。
このタイミングでここに来られたことが、不思議でした。


およそ5年ぶりの鞍馬寺。
紅葉はまだまだでしたが、山門から振り返ったら、
傾きかけた日の光に山の木々が照らされ、美しく光っていました。

お寺の受付まで行くと、閉山時間が迫っているため、
入口付近の散策なら、無料でどうぞとのこと。
なので、地図を見ながらお寺の境内(というか、山…)の雰囲気を味わって、
お散歩(急勾配…)して帰ることにしました。

うっそうと繁る木々、流れる水の音。
樹齢600年の杉の木を祀る神社の辺りまで登り、
山門に引き返すことに。


夕暮れ迫る山陰の風は冷たく、ひんやりとして、
空には、綿毛のようなふわふわの雲が舞っていました。
またあらためて、訪れる日を楽しみに。



やっと…  10/29

ポストをのぞきに外に出た時、ふわっと香った気がして、
最寄りの植えこみに近づいてみると。


おおー!
金木犀の小さな花が顔を出し、ほころんで、今まさに咲き初めの様相でした。
毎年、9月末から10月中ごろまでには、近所で必ず出会うはずなのに、
今年はまったく香りを感じなかったので、
気づかないうちに終わってしまったのだと思いこんでいました。
中旬まで暑さが続いたあと、急降下して1ヶ月季節が進んだので、
いつ咲いていいのか、分からなかったんだね。
少し気温が平年並みに戻ったので、そろそろと顔を出したのでしょう。
暑さが去って、本格的な寒さがやってくるまでのこの季節、
人間も木も、同じようにほっと緩むんだなと、教えられた気分です。



種まき完了…  10/29

15・16日に芋ほりをしてから、急に気温が下がり、
芋の跡地に種をまくのを、ほとんど投げかけていたこの10日ほど。
気が付けば、また少しずつ気温が戻り、もしかしたら…と微かな期待を抱いて、
最後の種まきに行きました。


南側

北側

今さらまいてももう芽が出ないわーと、悲愴な気分で放置していたのですが、
久しぶりに行ってみると、以前まいた種が立派に育っていて、感激しました。

寒くなる前の陽気のおかげで、ミックスレタスとほうれん草が、
もう食べられそうなくらいに、大きな葉を広げています。


ひときわ感動?したのは、「立ちあがった」ほうれん草を、
自分の畑で初めて目にしたこと。
過去4年は、べたっと地面にはりつくようにして寒さに耐える、
小さなほうれん草を、間引き同然で食べていたので、
ほうれん草とは大きくならないもの、と思っていました。(笑)
(隣の上手な方のところは立ちあがっていたので、どうやったら??とずっと思っていた)
例年、安定の成長のレタスは初収穫して、早速、お昼にサラダにして食べました。


ぱりぱり、苦みもしっかりある、レタスです!



ショパン・コンクールとマツカドピアノ  10/17

ポーランドでショパンコンクールが開催されていた今月、
とあるデパートで、2週間限定のストリートピアノが催されていました。
デパートの周年祭にちなんだもので、ピアノの名前は、「マツカドピアノ」。
なんとピアノ最高峰のメーカー製、さらに「フルコンサートピアノ」という、
ホールでしか弾く機会がないような、最も大きなものだったのです。
それが、デパートのコレクションにある着物の柄に塗装され、
誰でも弾けるというこの企画…デパートの太っ腹にびっくり。
春にあったことをあとで知り、次の機会がもしあれば…と思っていたわたし、
ちらしで偶然企画を見かけ、一度は見に行こう!と出かけてきました。


会場はデパート別館で、常設のパイプオルガンがある広場。
4階のフロアまで吹き抜けになっています。
弾きたい人が順に並んで弾くのですが、どの曲も響きがすばらしく、
フルコンピアノの音が、天井で跳ね返って、きらきらと降ってくるようでした。
これは、誰が、何を弾こうとも!まず、音の美しさに感激です。


聞きなじんだクラシック曲やジャズ、しっとりした曲、アップテンポの曲。
通りがかりの観客も、スタッフさんたちも、手拍子をしたり、拍手をしたり。
そして演奏者が交代するたび、
スタッフさんが鍵盤といすをきれいに拭いてくださっていました。
日曜日の午後のひととき、思いがけず長時間、
街角ピアノならぬ「マツカドピアノ」に、釘づけになったわたしでした。
楽しかったなあ。


外から見た風景。
このお兄さんはなんと、目隠しして弾いていましたよ!(もちろんマスクも)
他にも、ピアノに合わせてか、着物で演奏される方、
鬼のかつら(?)をかぶって演奏される方、
荷物と一緒にぬいぐるみを置いて演奏される方、
自由に楽しむ雰囲気が、とてもよかった。

そして、ショパン・コンクールの本選が、この翌日からでした。
日本時間午前1時から未明にかけて4人ずつ、
3日間の本選でした。
翌朝にまとめて配信動画を観て、
最終日は途中までライブ配信を視聴していました。
結果発表も、ライブ配信で!(ポーランド語なので、すぐ分からない 笑)
すごい時代になったものだなあ。。と、しみじみ。
反田くん…4年前に聴いた時は、スリムで長髪で、格好いい新人だったのに、
最近丸くどっしりして、別人のよう…と思っていたら、
体格づくりまでこのコンクールのためだったと、今回知りました。

マツカドピアノを弾く人たち、そしてコンクール出場者のみなさん。
その演奏を観ていたら、楽譜に縛られて、「こなす」だけの自分が、
恥ずかしく、つまらなく思えました。
長年の「上手くなりたい」呪縛から解き放たれて、
わたしももっと自由に楽しく、音楽を奏でたい。
それが、今の夢です。



夕空晴れて…  10/9

すっかり早くなった日暮れの時間、
西の窓を開けて、見上げた空。


すじ雲がオレンジ色に染まりながら、
美しく輝いていました。

ある日、用事で出かけた帰り道。
暮れてゆく空を見上げたら、
三日月と金星が並んでいました。


空の色が濃くなるずつ、くっきりと輝く月と星。
「アハハッ」の顔に、あと一歩!



パキラ・その後  10/8

先月セラミスに挿した、パキラの葉脈に沿って、
しずくがくっついているのを発見。


窓からの光を受けて、きらきらと虹色に変化します。
童話「十力の金剛石」を思い出すのは、こんなときです。

しっかり水を吸いあげていることに感心し、
きれいだなあ…とながめていて、ふと、
鉢の底に横たわる白いものが目に入る。
何これ??と、持ち上げてみたらば…


「きゃー!!!」
思わず声をあげ、大きい坊ちゃんに「写真撮って!!」と頼んで、
横と底、2方向から撮影してもらいました。
これは、間違いなく根っこ…
一緒にメネデール(注・発根促進剤)を買いにいってくれた大きい坊ちゃんも、
その早い効果にびっくり。
パキラのいのちが継がれたことに、ほっとしました。
のんびりゆっくり、どうかこのまま、元気でいてね。



やられた…  10/6

昨日夕方、畑のようすを見に来たところ、
ネットの中の白菜の成長が、どうも遅い。
わたしよりも後に植えたまわりの方々のほうが、
大きく立派に育っています。
虫食いのあとも多く、スタッフさんに電話して、
急遽、一部の苗を植え替えることになりました。

さらに、芽を虫から守るためにしたベタがけ(不織布)をめくってみると、
なんと大根もかぶも、すべての芽が、枯れてなくなってしまっていました。
少し早めにまいたため(いつも虫に負けて育ちが悪いので…)、
強い雨に不織布ごと打たれて、育っていた葉がやられてしまったようでした。
種まきにはぎりぎりの季節、寒さに強い、遅まきOKの種を用意して、
こちらも急いでまきなおすことに。

ネットをあけてみると、白菜2株は小さめなうえ、虫だらけ!
余った苗があるというので、育ちのよくない株を思いきって抜いて、植え替え。
植え替え作業中、スコップを挿した土の感じが、
変にすかすかしていて…いやーな予感。
もう一株は念入りに虫取りをしてから、穴のない新しいネットをかけなおしました。

次なる種まきの準備をしながら、ふと畝の脇に目をやると…


「こっ…これは!!!」
モグラです!
モグラはいつも田んぼからやってくるようで、前のスペースでも被害に遭っていましたが、
今回は尋常じゃない数の抜け穴を見つけたのです。
土留めしている竹の下から、畝のスペースを横切り、突き抜けるかたちで、
入口4つに出口も4つ…の地下通路が、数ヶ所作られていたのです。
ここに支柱を差しこんでみると、育ちの悪い苗の根元あたりまで届きます。
おそらく、地下に空洞があるために根を伸ばせず、
それにしたがって地上部も大きくなれない、のでしょう。
そしてそんな弱い苗に、虫が寄ってくるのでしょう。
ああ…またまた、大ショック。
スタッフさんは、「モグラの地下シティだねー」と笑っておられましたが。(笑)

実は先月、苗を植えた時に、
隣の畑からネズミの赤ちゃんが見つかっていたのです。


目が開いていないのに、すばしこく逃げる

最初はみんな「モグラだー」と大騒ぎしていましたが、
帰って調べてみると、ネズミだということが判明。
さらに、ネズミはモグラが掘った穴を使って、
野菜の根っこを食い荒らす…ということが分かりました。
子育ても畑でしているようで(汗)このあとも何匹か見つかったそうです。
・・・・・。

見つけた穴を、スコップでひたすら崩して埋める作業をして、
大根とかぶのなくなった場所を再び耕して…
ようやく種まきをはじめ、くん炭をまき、
最後はストチュー入りの水をすべての苗と種と芽にかけて。(虫よけ)
全面やり直しになるなんて…と、かなり気持ちがへこみました。


そんなわけで、ささやかな抵抗?として、
以前から密かに憧れていた(!)カラカラをつけてもらいました。
挿した支柱に、空缶をとおした、あれです。
この振動が空気や土に伝わって、少しでも虫や小動物を避けられるといいのだけれど…。
モグラの巨大地下帝国や大根・かぶの全滅はショックでしたが、
このカラカラをつけたことと、風を受けて鳴る音に、
ささやかに癒されているのは、わたしなのでした。。


風に揺れるコスモスも。