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育つもの 巣立つもの  6/25


ブルーベリーの葉をふとめくってみたら、
隠れていたわずかな実りが、色づきはじめていました。
一番に色づいた大きなひと粒に、びっくり・感激。


そして先日、ついに9年ぶりの切り戻しをしたパキラ。
生育が活発になるこの季節、
切ったところから黄緑色の芽をいくつも出して、
小さなあかちゃんの手を広げはじめました。
この葉っぱが本当にみずみずしく、つやつやと光って、繊細で。
傷つけてしまいそうで、今はとても触れられない!そんな質感です。
これがあの濃い色の葉っぱになるんだなあ…と、
成長を、不思議な思いでながめる毎日です。


やがてあの巣は空になり、
採りたての夏野菜で台所はいっぱいになり、
新しい季節へと時は進んでいきます。
6月は、いのちの力強い躍動に、心動かされるばかりです。



つばめの巣  6/21

一緒に用事にでかけた大きい坊ちゃん、
別れて先に帰ったと思ったら、すぐにわたしのいる店に引き返してきた。
「ここの隣につばめの巣がある!」
それを言いたくて、戻ってきたらしい。(笑)

買い物を終えた帰りみち、お店の隣のビル(マンション)の、
駐車場への通路に、ひなたちが顔を出している巣を発見。


親鳥の姿が見えたかと思うと、3羽はせわしなく鳴いて、
口をパクパクして何か訴えています。
親鳥が右端の子の口に羽のある虫(!)をつっこむと、
この子はあっという間に丸のみです。
・・・・・。

そういえば、すでに取り壊された反対隣のビルにも、
昔、つばめの巣があって、年長さんだった小さい坊ちゃんと一緒に、
ひなを見に通ったっけ。。


「うわあ、かわいいねえ。」('07/7/13)

この時のひなは4羽

もうすぐ6さい。きみもまた、あっというまに巣立っていくのかな。

あの日記から14年。
小さかった坊ちゃんも、半分巣立ったんだなあと、しみじみ。

さらにここからの帰り道、思わぬところで、
今度はすずめのひなを3羽発見。
見慣れているふくふくのすずめとは違って、
くちばしがやたらに大きくて、やせっぽち。


この日から、つばめの動向が気になって、大きい坊ちゃんと交互に見にいくように。
3日後には、3羽のうち2羽が飛び交って、
飛ぶ練習をしていたようです。(坊ちゃん談)
わたしが見にいった時に撮った写真。


たった3日でさらにふくらんで(?)巣から身を乗り出していました。
そろそろ、旅立ちの予感。



「季節の花に出会う」  6/20

近所の公園で半夏生が咲いていることを、
友人が教えてくれました。

「半夏生」といえば、さだまさしの歌に出てくる初夏の花。
実は今まで見たことがなかったのです。
その群生ときいて、あの公園のどこに??と思いながら、
晴れた日曜日、ほくほくと見にでかけました。

そこは遊具もバーベキュー施設もある公園で、
週末はたくさんの家族連れでにぎわっています。
ため池に面していて、広葉樹の林があり、自然も豊かです。
およそ知っているはずの公園の中の、どこに咲いているんだろう…と、
あてずっぽうで人々の向かう方角と逆に進んでいったら、
突然目の前に現れた、白い花の群れ。
辺りには誰もいませんでした。


花というか、葉っぱが白く色づいている、不思議な植物。
なんとなく、ミズバショウに似ているような…。
こんなところに、こんな群生があったなんて。
この季節にここを通らなければ気づかない、ささやかな報せ。
"咲いて閑かな半夏生"
さだまさしの「献灯会(けんとうえ)」の歌詩そのままの、やさしい花の群れが、
風に吹かれてさわさわと揺れていました。

左が一眼で撮ったもの、右が携帯で撮ったもの。(サイズを揃えて)
携帯はかなり新しいもので、きれいに撮れますが、
色みや距離感が持つ"空気"は、やはり一眼レフの力です。

"半夏生"を見たら、続きの歌詩を思い出し、
近所の橋のたもとに移動しました。


"胸張って咲く立葵"
川沿いの遊歩道で揺れる、立葵の花。
先月末からむくむくと伸びて咲きはじめ、
盛りを過ぎても、力強く咲いています。
強い風を受けても倒れることなく、青空の中にすっと立って。


上の2枚は携帯で、花のアップは一眼で。
こんな近所で一眼を持ち歩くのは、本当に久しぶりのことでした。

気づかなければ、知らなければ、出会うことができなかった花と、
初対面を果たすことの奇跡をおもう。
それは、ひととの出逢いと同じ。
ここに咲いていてくれて、ありがとう。
"あなたに出会えて 心からしあわせです"





初収穫  6/18

梅の作業がようやく終わり、雨の合間に畑へ。


どれも青々と大きくなってきましたが、2本のなすの元気がありません。
なんでかなー。土寄せしようとして根を傷つけたのかなー。
とりあえず様子見することにして、勢いのあるきゅうりのつるの整理へ。


なんと!
収穫はまだだろうとたかをくくり、立ち寄らなかったあいだに、
きゅうりのお化けがごろごろと…。
放置して種を育ててしまうと、株の老化が早まるので、
収穫数が減ってしまいます。大急ぎで収穫しました。


こちらもいつのまにやら、鈴なりに。
ピーマンは、マイペースですくすくと育っている印象です。
大きなものから収穫。

種からのラディッシュも、あまり大きくすると、
割れたり、虫に食われたりするので、このあたりで収穫。
つぼみをつけはじめたバジルや茂りすぎた青じその摘芯もして、
思いがけない収穫量となりました。



6月の手しごと その3  6/17

塩漬け1日目の梅。


農園から直送してもらったので、新鮮なせいか、
スーパーのものよりも梅酢の上がりが良いような気がします。
もらった青梅をしばらくかごに転がして黄熟させようとした経験から、
放置すればするほど、水分が抜けてしまうことも学びました。
(ビニールなどで保湿すると、かびたり傷んだり…)
やはり新鮮であることがいちばん、と実感。


さて、昨日の紅梅。
下処理したあと、急ぎ調達した2Lのびんに、
氷砂糖と交互に入れて、そーっと上からホワイトリカーを注ぎます。

床下に眠ったままの梅酒があり、誰も飲まないので(笑)、
もう何年も梅酒は漬けていませんでした。
再び過去日記をさかのぼり、床下の梅酒はいったい何年物なのか調べてみたら、
梅シロップを作った翌年、2006年のものと判明。
つまり…15年目。
大きい坊ちゃんに言ったら、「じゅん飲むよ!」と。。
ああ…漬けた時にはぴかぴかの1年生だったのにと、感慨にふけりました。
もうひとつ、覚えのないびんを見つけて、なんぞやと引きあげてみたら、
「おそらく2013年と思われる ハーブ梅酒」というラベルが。(爆笑)
ああ…ベニシアさんの番組を観て、その頃、作ったのでしょう。
これもすでに、8年目。
もう少し、飲まずに置いておこうかな。


この4日後。
農園の方が"梅酒か梅ジュースに"とおっしゃった理由が解る。
なんと可憐な、ピンクのグラデーション!
溶けかけた砂糖をゆっくりと染めてゆく、紅梅の、紅。
どんな美しい飲みものになるのでしょう。



6月の手しごと その2  6/16

本日、農園から無事に到着。


箱を開けると、梅の甘い香りがぷーんと広がって、
早くこの子たちを漬けてあげないと!という気持ちになる。
黄熟梅は、季語で「実梅」というそうです。
美しい実梅たち、ようこそ。


まず1kgを使って、梅シロップを漬けました。
過去日記を読んでみたら、2005年に、「スーパーのイベントで作った」とある。
そして、「前年に失敗した」と。(笑)
おそらく、それ以来だと思われるので、16年ぶりの梅シロップです。

次に、目的の梅干しを4kg。
半分に分け、14%と16%にしました。
ここ数年、半分は20%で作っていたのですが、
かなり塩辛くなるので、今年はやめました。

注文したのはこの5kgでしたが、サービスで紅梅を500g、
農園の方が入れてくださっていました。
「梅ジュースか梅酒にしてください」とあったので、
本当に久しぶりに、この紅梅で梅酒を漬けようと思います。

明日につづく。



6月の手しごとはじめ  6/12

畑・5年目の初夏。
この世情でもう1年以上、イベントの開催がなかった畑(NPO)ですが、
ハーブ畑のラベンダーを使ったラベンダーバンドルズ作りの案内がきました。

つい先日、新聞の生活面で紹介されていて、
どんなものなのか実際に見てみたいと思っていたところだったのです。
渡りに船とばかり、出かけてまいりました。


いつもの自分の畑と違う場所にある、ハーブ園へ。
ラベンダーがまさに盛りで、美しく咲き乱れていました。
自分で奇数本を収穫してきて、好きな色と太さのリボンを選び、
花穂をまとめてから、茎とリボンを編んでいくのです。
いつものスタッフさんが、こつを教えたり手伝ったりしてくださるので、
初めてでもきれいに、早く作ることができました。
こーんなふうにできてたんだーと、感心・感激。
楽しかったので、材料を100円で分けてもらい、
家でももうひとつ、作ることにしました。


材料はこれだけ

花穂の周囲を編んでいきます

茎だけになったらリボンでまとめる

お好みのリボンをむすぶ

編み始めるまではちょっと大変ですが、編みだすと単純作業がとても楽しい。
収穫したてでないと、茎が折り目からちぎれてしまいそうで、
フレッシュのラベンダーならではの喜びと、
部屋いっぱいに広がる香りに癒される思いがしました。
飾りのリボンは、ベテランスタッフさんの、数年前のフランスみやげ。
(「車で走っても走っても、どこまでもラベンダー畑だった」と…)
「リボンにはPROVENCEって書いてあるけど、
 ラベンダーはプロヴァンス産じゃない!」と、笑ってました。(笑)



偶然に導かれ…  6/6

以前テレビ番組で見て、行ってみたいと思っていた商店街を、
家族で訪れる機会に恵まれました。
その中のおうどんやさんがお目当てのひとつで、
そしてたまたま、開店時間に通りがかったので、
まずはそこで、お昼ごはんをいただくことにしました。


単品で注文した、水なすのお漬物。
わたしの大好物。(笑)


やがて家族全員が頼んだ、鯖寿司とおうどんのセットがきました。
この鯖寿司、さばの分厚さにびっくり!
木の芽の香りがして、本当においしかった!
みんな大満足で、お店を後にしました。
ごちそうさま。

その後は商店街をひととおり歩いてから、
和菓子屋さんで、6月のお菓子「みな月」と、豆大福を買いました。

おやつを仕入れて、お次は山沿いの砂防ダムを目指して出発。
地図でも分かりにくい細道を歩いていたら、大きな門に突き当たり、
門前にいたスーツ姿のおじさんたちが、ものものしく声をかけてきた。

「ご予約ですか?」
「???いえ?…えっと、砂防ダムってどちらの方角ですかね?」
「砂防ダム?ああ、それはここを右に曲がって、川を越えて、
 砂利道を上っていってください。…ご予約じゃないんですね?」
どうやらこの場所は、予約でしか入れない施設の、当日受付のようでした。
「ここ…今予約したら、入れるんですか?」
「入れます。午前は事前予約のみですが、
 午後は当日予約を受け付けております。
 今でしたら、40分後の15時からのご案内ができます。」

ここで少し、気持ちが揺らぐ。
こんな機会、めったにないよね?という話になり、砂防ダムで滝を見る予定が、
急遽、その宮内庁管理の施設の見学をすることに…。
代表者・オットーの免許証を見せ、入場希望者全員の氏名連絡先を記入する。
「宮内庁がうるさいんで、記入漏れのないように、
 集合時間は厳守で、お願いいたします。
 全体で3.3kmを、全員揃って2時間ほどかけて回っていただきます。
 途中で抜けるということはできませんので、ご了承ください。」
「あのー、砂防ダム、ここからどれくらいですか?」
「15分くらい…ですかね。とにかく、砂利道ですよ。」
「じゃあ、ちょっとだけ、見にいってきます。滝があるんですよね?」
「滝?ああ…滝というか、、、小さいのね。」
ちょっと笑われながらも、急ぎ砂防ダムを目指すわたし。(+家族)
ここまで目指して来たのだから…集合時間までに、
どんなところかだけでも、見てみたかったのです。


ところが…甘かった。
砂防ダムへの道は川に沿って整備されていたけれど、
どんどん山へと入っていくようでした。
それに従い、第一堰堤、第二堰堤…と順にいくつもの滝があるらしく、
事前に調べていた滝らしい滝は、かなり登ったところにあることが、
徐々に分かってきました。
暑い中、砂利道をかなり上ったところで、「登山道入口」の看板を見つけ、
(「一気に気力が萎えた」 by 小さい坊・後日談)時間的にもあきらめて、
「小さな滝」のところで引き返すことにしました。
残念。いつか、一人で、涼しい季節にまた来たい…。

少し急ぎ足であの門まで引き返し、集合時間の5分前に到着。
他の予約の方たちもぱらぱらと集まりはじめ、やがて門が開きました。
集合場所である休憩所まで移動して、準備が済んだ頃、
宮内庁職員の方が現れて、丁寧なご挨拶をいただき、案内が始まりました。
空は広く、自然は多く、建物は美しい。素晴らしい施設でした。


思わぬ偶然に導かれ…
目指していた場所は違ったのに、そのすぐ隣にあった、
なかなか入れない施設を訪れることができて、よかった。


おまけ、
今、我が家では「ふたりっ子」(25年前の朝ドラ)ブーム再来中なのですが、
その中に出てくるとあるグランドが、この近くのものなのでは?と、探索してきました。
25年前の風景ですから、変わっているかもしれない…と思いつつ歩きまわり、
ついに!カメラと同じその角度を、見つけたのです。
「ここや!」


その風景は、ほとんど変わっていませんでした。
何よりそのことに、感動しました。
いや…一番感動していたのは、当時ドラマにはまりにはまったオットーでした。
25年を経てここに来ることができた、不思議なご縁に、感謝。



名残花  6/5

恒例・怒涛の季節入れ替え家事が続くなか、
今年は花つきが悪かったジャスミンの切り戻しをしました。
(45リットルごみ袋3杯分の大作業です)
5月の連休が開花のピークなので、すっかり咲き終わったものと思い、
暑くなる前にと例年より半月ほど早く行ったのですが、
茂りに茂った葉の下に、濃いピンク色をしたつぼみが隠れていたのです。

こんなことは初めてだったので、水に差してしおれるのか咲くのか…
全く分からないまま、けれどなんとなく捨てられなくて、
とりあえず花びんに差しておきました。
それが5日ほどの間に、徐々に白っぽくふくらんでいき、
ついに小さな一輪が開花。
感激しました。


ふわっと淡く、あの甘い香りが漂います。
3日ほどかけて、次々開花。
気温の高い日が続いたので、あっという間にしおれていきましたが、
それでも、あのまま枯れたり、捨てられたりせずに、
ちゃんと咲けて、香れて、よかった。
-5℃の寒気に負けたつぼみも多かった中で、葉陰に隠れて生き延びて、
こうして花開かせるなんて、奇跡のようなことだなあと、しみじみ感じました。
その姿を見られたことが、幸せでした。



今年も忘れずに  6/2

紫陽花がゆっくりと色づいています。

昨年はひとつも咲かなかったピンクが一番に咲きはじめ、
今年は6つも花をつけてくれました。
このひと鉢は、15年以上前からうちにあると記憶しています。
1月に、花芽をひとつ折ってしまった話を書きましたが、
残った花たちはがんばって咲いてくれています。


色えんぴつで紙に色をのせていくように、淡い色が少しずつ、濃くなっていく。
色あせていくかのような最後にも、緑色に変化していく。
およそ1ヶ月、移り変わる色のなかにいろんな気持ちがあるような、
その気持ちと対話するような、濃密な時を、共に過ごします。