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梅満開  2/28


薄曇りのいちにち。
天神様の梅苑を、十年以上ぶりに訪れました。
ほぼ満開、しだれ梅は七〜八分咲きの様相。
さえずりながら木々を渡り歩く野鳥たち、
すばしっこくて、なかなかファインダーに収まってくれません。
光学30倍ズームを駆使して、どうにかつかまえた数枚。


まさか…エナガ?

集団でいたメジロ

シジュウカラはわたしの携帯の音

胸のネクタイが目印

梅の花より野鳥に夢中だったのが、
トリたちが飛び去ってようやく、晴れてきた空に映える梅を撮りました。


あまりみかけない、濃い紅色の梅が、
薄桃色と白の花に混じって、彩り鮮やかです。



あれから1年…  2/27

一昨年ドラマで知って、一度来たかった、コーヒースタンド。
パーキングの奥にひっそりと佇んでいました。


徒歩でなければ見つけられないような、その立地の奥ゆかしさと、
ささやかな前庭の椿の閑さに、心を奪われる。
「どこに腰かけてもいいですよ」とカップをわたされ、
冷たい空気のなか、温かいカプチーノをいただきました。
焙煎したての豆も購入。

まさかパンを奪われたあの1年後に、ここにまた来るとは。。


あれから1年。
あの、胸いっぱいだった日から…


吹きすさぶ風の中、5〜6羽で群れ飛ぶあの鳥は…!
1年前の昨日、わたしの食べかけのパンを奪った、にっくき(?)とんび〜!!

パンをまき散らして呼び寄せているおじさんがいて(!)、
わたしのパンがなぜ狙われたか、納得しました。(笑)


水辺を優雅に飛んで移動するコサギ、影ぼうしをくっつけて歩くハトたち。
水の音と風の音だけの、静かで平和な夕暮れの風景。
遊歩道沿いの梅の花が、夕日に映える。




昨年の今日  2/26

小さい坊ちゃん、大学の二次試験・2日目の朝。
1日目の朝、一瞬キャンパスで迷子?になり、
テレビ取材のお姉さんを振りきって走って間に合ったと後できいて(うそやろ?)、
さすがに2日目は大丈夫だろうと思いながら、
一応、大学の入口まで送っていきました…。
送った後、ぐるっと正門に回って中に入り、
ちゃんと試験会場についたかこっそり確認しに行った時、
携帯で撮った小さな写真。


こんなささやかなひとこま、長い長い人生の記憶の中に、いつか埋もれてしまうもの。
けれど確かにあった、小さいけれど、大切なひとこま。
わたしの中でこれからも、ふとよみがえるのだろう。
試験が終わるのを、寒い中庭のベンチに座って待っていたことも。




入学試験の思い出  2/25

大学の二次試験のニュースを目にして、
昨年の同じ日が、鮮やかによみがえる。
受験生だった小さい坊ちゃんとともに、
前日のお昼ごろ、受験する学校最寄りのホテルに入り、
試験会場の下見をして、周辺の町も歩き、
バスの乗り場、乗り換え場所も確認して。
その間、ずーっとついてきた、学生バイトのお兄さんに根負けして、
下宿の下見に行ったこと。(後で根負けした自分を反省したわたし。)
その時決めた下宿を気に入って住んでいる今では、
それでよかったと思えるけれど、あの時は試験前の緊迫感のなかで、
何が何やら分からないどきどきと不安感でいっぱいだった。
こんなに急に決めてよかったのか?!と…。
しかも、前日に…。

周りの空気にも圧倒された。
試験会場、会場周辺、ホテル内…
ひと目で受験生と分かる、親子連れの多いこと。
中には、一家そろってやってきている家族連れもいて、びっくり。
そして、伏し目がちにすれ違う相手をちらっと見ては、
目を合わせない、奇妙な気まずい空気感…。
当日の朝ごはんの会場は通常より1時間繰りあげられていて、
周囲は受験生親子だらけ。。いや、それのみ。
ホテル側もそれをよく分かっていて、対応してくれている。
自習室も設定して、開放してくれていた。
坊ちゃんは部屋で、なぜか3つあったベッドの上を移動しながら、
転がって問題解いていたけれど。

1日目、教科の中では強みだったはずの数学が難しかったらしく、
文字どおり真っ白な顔をして、
「数学ができなかった…。」と出てきた。
二人していつもより食欲なく、晩ごはんのラーメンも喉を通らなかった。
(のちにかなりの難化だったと分かるまでは…)

受験生親子同士の、居心地の悪い空気を感じることが多かったなかで、
2日目の朝、エレベーターで一緒になった受験生の男の子たちが、
「おはようございます」とさわやかにあいさつしてくれたことが、
うれしくて、ほっとしたのを忘れられない。
彼らは一緒にチェックアウトしているようだったので、
仲間だけで連れだってこの地にやってきたのだろう。
あの時、わたしは、どうか皆、笑顔で合格できますように、と、
心から祈ったのだった。

腕時計を見ながら一人、心そぞろにさまよい歩いた町。
あれから1年。
小さい坊ちゃんと二人、冒険?のような時間を共有したことは、
二度と戻れない時のせつなさとともに、胸に刻まれている。
これもまた、たいせつな宝物のひとつ。
これからも時折、手のひらに拡げて懐かしむ、人生のひとかけら。

追記、
1年生を終えようとしている、今…
発表があった科目では成績も良く、無事に単位は取れそうなのに、
「この1年で頭悪くなった。」
「今さら入学式されても、行く気になれない。」
そんなふうに投げやりに語る小さい坊ちゃんのことばに、
学校のスタートがうやむやになり、SNS優勢の時代に仲間を作れずにいる焦りや、
これからの学生生活への不安がにじむことが、
わたしにも辛く、胸が痛む。
こんな気持ちも時間もいつか、未来から振り返った時に、
懐かしい、たいせつな記憶のひとつになっていることを、
過去のかたちが変わっていることを、祈る日々。
最良の道へと通じているはずの、現在を信じて。



なに?  2/17

朝から宅急便やさんが届けてくれた、でっかい箱。
なに?これ…。
まったく心当たりがなく、誰?なに買ったの?と思って見ていたら。


「ままやで。花みたいやで。なんか、当たったんちゃうの?」
受け取りに出てくれた大きい坊ちゃんが、宛名を見てそう言うので、
「なに?わたし?…あーっ!!!」
ラベルを確認する前に、はっと思い当たった。


昨年読んだ『始まりの木』の帯に、刊行記念キャンペーンの案内があり、
まだ締切前だったので、応募していたのです。
"オリジナルポストカードつき観葉植物を100名様にプレゼント"となっていて、
表紙のいせさんのイラストのはがきが欲しい!と思ったわたしは、
はがきの大きさから観葉植物もテーブルサイズと勝手に思いこみ、
応募券に読み終えたばかりの熱い感想を書き添えて、送ったのでした。
あの感想が功を奏したのか…
とにもかくにも、ここにやってきたこの箱は、それに違いない。
1mを超えるこんな重い箱とは、夢にも思わなかったけれど…。


確認したら、"観葉植物の種類は選べません"とある。
いくつかあったのか?分かりませんが、我が家にやってきたのは…
「ユッカ」という、メキシコ原産の木でした。
わたしがあまり好まない?先がとがった葉っぱなのですが、
出してみたら(これがひと仕事)、意外に葉の広がりは少なく、
全体にコンパクトで場所を取らないと分かり、玄関にすんなりと収まりました。
まるでここに来るつもりだったかのように。。
そこにいたよれよれのパキラは、またもとの場所に戻ってもらいました。
(↑今年仕立て直す予定)

もうこれ以上、植物は増やさない!と誓っていたのに、
思いがけない家族が、またひとり。(笑)
"緑とともに癒しとゆとりある生活をお楽しみください。"
贈り主(出版社)のメッセージが、神さまの声のようでした。



今年も…  2/12

"われら万障くりあはせ"
新月の今日、何かの儀式のように、おみその仕込み。
なんだかんだで、あれこれ試しつつ、14年目。
「おいしいおみそができますように」




リサイタルへ  2/11

舘野泉さんの演奏活動60周年記念リサイタルが、
この地のコンサートホールで開催されました。
それを知った友達がわたしを思い出して、
チケットを取ってくれたことに、感謝。


御年84歳、この社会状況のなか、ここまで出向いてくださることにも、
驚きと感謝の想いでいっぱいです。
実は4年前に別の市で開催された、小さなコンサートに行ったのですが、
それは地元とのつながりがあって招かれた演奏会らしかったので、
舘野さんのピアノを聴くのはもう、東京でなければ叶わないと思っていました。

60周年のプログラム前半は、CDにも収録されている、
よく演奏される代表曲たち。
そして後半、コンサート二部は、気鋭の音楽家から捧げられた、
現代曲2曲でした。
その流れからして、最初は心づもりをして聴けていたのが、
後半の新曲になると、新たな発見と感動の連続で、
音の厚みときらめきに打ちのめされ、左手だけで!!と衝撃を受け、
演奏されているお姿に、本当に84歳??と疑い、
終わった瞬間、こちらは呆然と拍手を贈っていたような、
そんな、なんとも不思議な感覚の、コンサートでした。
すごく、表現が悪いかもしれないけれど、、、
さだまさしのトーク、「妖怪かっとびじじい」のような、、、
二部最後のかっこよさはもう、TSUKEMENのSUGURUくんのようでしたよ!!
(↑分かる人には、分かる。 笑)

アンコールでは、「赤とんぼ」のアレンジ曲と、
ずっと聴きたかったカッチーニの「アベ・マリア」が演奏されて、
あの音のひとつぶになりたい…と思うくらいに、
最後までその美しい音に酔い、涙しました。
ああいつか再び、この音色に出会えますように…と、
祈りのような願いを抱きつつ、会場をあとにしたのでした。



くるくると…  2/9

早朝、マイナスまで冷えこんだ日。
今年のおみその材料が届きました。
いよいよ仕込み近づく、で、前年のおみその残りを移すため、
2年前の玄米糀みその入れ物を空けることにしました。

容器を出してきたら、ふたにていねいな注意書きが貼られていて、
それを見たとたん、なぜか胸がいっぱいになりました。
過去の自分にまた、助けられた気がして。
健気な文字に、わたし自身が救われた気がして。

思いたって、午後からくるみレーズンパンを焼きました。
「糀に最適なこんな寒い日に!」と、自分でも思ったとおり、
そして、「さらに副材料・油脂多め!」と内心つっこんだとおり、
生地温度は下がり、発酵は進まず、レンジも温まらず…
まあ、、、こうなるわね。と、自分ではがっかりした焼きあがりとなりました。
なぜ、そうまでして今日、焼こうと思ったのか…それは、
小さい坊にバレンタインのチョコを送るついでがあったから、なのでした。
焼きたてを早く届けたい、と思ったからなのでした。
ああなんでも、自然に逆らってはいかんな。と(笑)、
反省しつつ、閉店?間際の郵便局へと走るのでした。。




春の足音  2/6

家族がそれぞれ出かけた朝、思いたって、とある喫茶店に向かいました。
そこは50年近い老舗らしく、有名なお店だったようなのですが、
わたしが初めて知ったのは、れいの紅茶のお店のお得意先としてでした。
その後、偶然、地域誌で取りあげられているのを見てから、
いつか行けたらなあ…とぼんやり考えていたのでした。
(そこであの紅茶買えないかなあ…とか。。笑)


しかし、実はここは、コーヒーの専門店。
そして人気のメニューは、4種類の自家製ジャムがのったスペシャルトースト。
あんこと生クリームとジャム、という三段重ねのスペシャルもありましたが、
食べきれるか不安だったわたしはあんこ抜きで。。
カフェオレとともに。
「順に、りんご・紅玉・キウイ・創業時から作っているマーマレードです」と、
マスターがていねいに説明してくれました。
ジャムの色がひとつずつ違うので、宝石のような美しさでした。
そして、とてもおいしかった!


帰り道、最寄り駅のひとつ手前で降りて、散歩がてら、川沿いを歩きました。
立春を過ぎた日差しは高くまぶしく、
遊歩道の桜並木はすでに茶色いつぼみを大きくふくらませていて、
すっかり春支度です。
橋から川面を見下ろせば、大きな鯉がゆらゆら集まっていて、びっくりでした。
一面枯れ草に見える川べりにも、
その元にたくさんの黄緑が隠れているだろう、いつもの川の風景。




節分  2/2

いつの頃からか…毎年節分には、これを作っている気がします。
そしてまたいつの頃からか…スーパーのちらしに躍る"七福巻"の宣伝文句に感化され、
ちらしの写真をながめては、前年何を巻いたかと、7種類の思案にくれる…。
そして次には、ごはん何合で何本巻けたかと、記憶をたどる…。
料理ノートを出せばいいのに、書いてあるページを探すのが面倒。(笑)
今年は昨年のメモが1年間、メモ立てにはさまったままだったのが幸いでした。
結局、あるもの思いつくものなんでも使って、作るのみ、です。


なぜか「おにはーそとー」を言うのがかわいそうな気がした、今年。
鬼だって、人間の世界の影の部分しょって頑張ってるんだろうに。
それが目の敵にされてばかりでは…
まあ、豆でも食べていってよ。
と、「ふくはーうちー」をいっぱいまいておきました。
すずめが食べるかなーという魂胆もあり。(笑)