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梨木神社へ 2/26

梨木香歩さんの、ペンネームの由来である梨木神社。
「梨木神社を香(本名)が歩く」という文章をどこかで読んで以来、
一度訪ねてみたいとずっと思っていました。
昨年末、とあるドラマで、きれいな湧き水のある神社が登場して、
それが梨木神社だったのです。
その2ヶ月後、機会に恵まれ、ようやく訪れることができました。

足を踏み入れた境内は掃除が行き届いていて、清浄な空気に満ちていました。
別名「萩の宮」と呼ばれるその神社は、あちこちに萩が植えられていて、
今は芽吹きの季節らしく、低く刈りこまれた株のなかに、
小さな新芽を探すことができました。
一面に咲き誇る9月には、「萩まつり」が行われるのだそうです。
社務所に一冊のアルバムが置かれていて、
四季折々のお宮のようすが写真で紹介されていました。


ドラマで先に見てしまった(!)「染井の井戸」が、静かに水を湛えている。
ここは、汲んでいくことも許可している代わりに、
この美しい湧き水を守るために、約束ごとをきちんと守るよう、注意書きがありました。

梨木香歩さんのファンは、ひっそりここに来られるのかなあ…
そんなことを思いながら、お守りをひとつ。


ぐるりと町を歩いていて、流れで神社にたどりつけたのでしたが、
実はこの日は別の用事で頭も胸もいっぱいでした。
食欲もわかず、商店街でパンをひとつ買って、川べりのベンチで食べかけたら。
でっかい鳥が低空飛行して、わたしの手元をかすめて飛ぶ!!

ばさばさばさっ!
ひいいっ!

ピーヨロロローと頭上でずっと鳴いているなと思っていましたが、
まさか、わたしの手からパンを奪っていくなんて!!
トンビめ!!
・・・・・・・・

カバンの金具に折りたたみ傘の輪っかを引っかけて、
広げて乾かしながら、レモンティーを飲んだ。
ああ…落ち着かない心を抱えながら、こののどかな風景のなかにいる。
見慣れた懐かしい場所にいて、時間だけが違っている。
・・・ずいぶん未来まで来たものよ。